初めて会った人に、自分の職業を聞かれると、「ランドスケープアーキテクト」と答える。アメリカでは、大抵の場合は、「へえ、そうかぁ。」と返答があり、さらに、「今度、私の庭を見てくれよ。」とまで言われる事が多々ある。また、米国への入国手続きの空港の検査官も就労ビザを確認した際に、私の職業を聞き、ランドスケープアーキテクトの仕事をしていると私が言うと、すんなり通してくれる。このようにランドスケープの仕事が一般の人まで浸透している。以前は、米国もこの職業の言葉に馴染みがなかったらしいが、現在ではテレビのHGTV(Home and Garden Channel、家のリノベーションや不動産関係を中としたチャンネル)などで、建築家やインテリアデザイナーと並びランドスケープアーキテクトがよく取りあげられ、親しみ深い存在になったようだ。
Archive for 2009年11月
造園とランドスケープアーキテクチュア
11月 29th, 2009今こそ教育に。アメリカの大学におけるランドスケープアーキテクチュア ② +ランキング
11月 20th, 2009前回は、なぜアメリカのランドスケープアーキテクチュアの大学院を選択したか、話しましたが,今回はどのように大学を選らんだらよいのか?という事について紹介出来たらと思います。
まず、米国の大学は、日本のように大学の名前で、その大学がよいとは限らないということに気をつけてください。例えば、聞いたことのある有名な名前の大学のランドスケープが他の大学に比べて、必ずしも良いとは限らないということです。実際は毎年、教授たちの入れ替わりやDirector(学科長)の変更、さらには学生の質によって、プログラムが更新され、それによって、良し悪しが決まります。ということは、昔はあの大学のランドスケープ学科が良かったが、現在はあまり良くないという事があるということです。
ほとんどのアメリカの大学の学科は、U.S. News and World Reportを見ればランキングが出ており参考になるのですが、残念ながらランドスケープアーキテクチュア学科(日本で言えば、造園学が近い。)については、述べられていませんでした。そこで、Design Intelligenceが数年前から、建築、ランドスケープ、インテリアデザイン、インダストリアルデザインの学科に関して評価し、ランキングを出すようになりました。11月の初めには、2010年のランキングを載せた雑誌を出版しました。
今こそ教育に。アメリカの大学におけるランドスケープアーキテクチュア ①
11月 17th, 20092008年9月のリーマンショック以来、世界全体が不景気になりました。特に建築・ランドスケープ業界は、不動産ディベロッパーのキャッシュフローの悪化・それに伴う将来の需要マーケットの見直しを迫られ、多くのプロジェクトが停止したり、延期することになりました。このような不景気ですと、将来ランドスケープアーキテクトの仕事に就きたいと考える人も、きっと不安に思われるでしょうし、就職活動をしている学生もきっと、ランドスケープの求人を出している会社を探すのも、一苦労でしょう。
今年の状況とは比べにくいですが、実際、私が大学の学部を卒業する時も、「就職大氷河期」で呼ばれており、仕事に就くのが大変な時でした。そこで私が決断したことは、「まだランドスケープの事を理解していないし、もう少し勉強しよう。」ということで、大学院に進む決心をしました。
しかしながら、いくつかの日本の大学院を訪問していると、私のランドスケープアーキテクトになりたいという目標にも関わらず、この仕事の直結するようなことを勉強できる場所を探すことが出来ませんでした。しまいには、訪問した某大学のランドスケープデザインを教えているの教授からは、「運がよくないと、ランドスケープアーキテクトにはなれないよ。」と言われる始末。
この後の少しゴタゴタした事は、今回省略しますが、結局、いろいろと自分の状況を踏まえ、選択肢を減らしていった結果、「アメリカの大学院で本場のランドスケープアーキテクチュアを学ぼう」と決心するに至りました。
今考えると、これは私の為に、とても良い決断だった思います。
ランドスケープアーキテクトになるまでに。まずは感謝。
11月 15th, 2009時々、友人や学生から、「何でランドスケープアーキテクトとなったのか?」と聞かれることがある。いつも答えに少し困るのだが、私自身の中では、天職的なものであり、もし神様や仏様がいるとしたら運命としか言いようがない。結局は、「僕からランドスケープを取ったら、他に何も残らないから。」と簡潔に返答してしまう。
また、同職の友人からは、「順調にランドスケープの仕事に就いたね。」と言われると「まあね。」と答える。しかし実際、私がこの専門職に就くまでに紆余曲折してきた過程の中で、トントン拍子に来れたのは、良きMentor(師、指導者)との出会いがあったことは、事実である。これは私にとって本当に幸運なことであった。