High Line Parkをさらに奥へ歩いて行くと、建物を潜り抜けることになります。この公園はもともと線路高架の上に造られた、つまり簡単に言えば、屋上に存在するのに、さらにその上に構造体が存在し、トンネルのように穴の開いた空間を利用者は通り抜けて行く事になります。この行為は大変面白いものです。最初に私が通り抜けた建物は、象徴的なモダンな外観を持つブティックホテルのThe Standard Hotelです。
建物の下まで歩くと、赤いデザイナーズチェアとルイスポールセンのデザインにありそうな黄色の照明で飾られたアウトドア・テラスが見えました。赤い椅子、グレーの柱、青い空。この組み合わせがとてもシンプルかつモダンで、気持ちのよい景観を創っていると思います。
このように、建物を潜る行為は公園の数箇所で繰り返されていました。下の写真は、その潜る行為ができる建物の一つのチェルシーマーケットです。この下ではキオスクが配置してあり、皆さんはコーヒーやベーグルを買って、軽いブランチを太陽の下で楽しんでいました。公園にキオスク(小さな売店)を配置するというのは、個人的にはとても好きですし、二つの関係がとても良いと思っています。飲食物という小魔法を与えることにより、利用者が楽しむランドスケープが生まれ、外空間がちょっとした家のリビングスペース的な空間に変化させることが出来ると思っています。家の中では、天井がスペースを定義しますが、外では、天井は青空です。こう考えると、外のスペースは、意外と贅沢でラグジュアリーなものに思えてきます。
このキオスクの傍には、ラウンジチェアーのようなベンチが配置してあり、人々はそこで一息をついて、飲み物を片手に何気ない会話をしていました。普通のベンチとは違い、横に連続して並べることによって、利用者は普通のベンチのように使用したり、横になったり、くの字形に折り曲がる場所を利用して会話を楽しんだりと自由奔放に休憩を楽しんでいました。通常、ラウンジチェアーは、ホテルのプールデッキに置いてある横になることが出来るチェアーのことを指すのですが、このHigh Line Parkにあるサイトファーニチャーは、ラウンジチェアーとベンチのハイブリットと言ったところでしょう。
このように建物を潜るのは、ここだけではありません。下の写真は14th Street近くの建物、未だに建設中だったりしました。一体、何の建物なのでしょうか?また次回に行った際は、チェックししてみたいと思います。
ところで、少しランドスケープの専門的になりますが、この建物の間をどのくらい歩いたか?という事について、この記事を私が書いている時には、少し記憶がうすれていましたし、仕事柄何となく気になったので、Google Earthで調べて見ました。実際は、この建物の配置関係は、徒歩で8分、14分の距離でした。この建物の間隔も、ちょっとした公園のアクセントになっていて、私が歩いている時は良いウェイファインダー(方向間隔や場所を示唆するもの)になっていました。
参考資料:
http://www.standardhotels.com/new-york-city/
http://www.polshek.com/