砂漠の何もない場所に都市をつくる。誰がこのような構想を描いたのか?と行く度に思う都市がドバイです。
このような構想を描いた人達の一人が、クライアントにいます。きっと世界のトップ100に入る富裕層の方だが、小柄な体格にとても謙虚な人です。この砂漠の何もないところにスキー場付きのショッピングモールを作ったり、こんなことは成功しないだろうと思ったことを決断し成功してきたのは驚くべきことです。今はイスラム教徒のラマダンという日中は絶食する期間の約一ヶ月ですので、彼のことを思い出しました。この時期、彼らは自分たちの時間の流れをゆっくりとし、祈りを捧げる期間に入るのです。
さて、今回はその方が所有するプルマン・ホテルの屋上プールです。私達ランドスケープアーキテクトのデザインする対象には、プールなどの屋外施設が含まれるからです。このホテルはドバイの都市部にあり、隣のショッピングモールへの直接アクセスがあります。そして空港からも15分ほどの場所にあり利便性もとても良いです。東京で言えば山手線圏内といったところでしょう。
このホテルの屋上プールはコンパクトに必要な要素が簡潔にまとまっており、良くデザインされています。私自身はフロリダに在住しており、ホテル等のプロジェクトが多く、今までに数多くのプールを設計していてきました。日本の都会にあるホテルに屋外、屋内問わず設計するのであれば、このプールは良い類似事例になりうるでしょう。
プールの設計のコツは、「誰を対象にするのか?」ということから始まります。大まかにわけると、大人や家族を対象にしたプールと子供を対象にしたプールです。このプールでは
屋上という敷地が狭い分、子供用のプールが大人用のプールが隣り合わせで一体化していました。子供が遊んでいるときは、両親は大人用のプールから見守る、もしくはバーラウンジから飲食しながら見守る、更にはカバンナといったShade Structrueの日陰にあるラウンジチェアーから子供のことが見れるのです。子供用のプールは浅く広く、大人が寝転びながら子供と遊んでも気持ちが良さそうです。子供が少し遊べるよなスピッターも、シンプルで好感がもてました。
また、この空間にあったラウンジチェアー、テーブル、イスなどもしっかりしたものが置かれていました。これらのアウトドアファーニチャーをみると、きちんとした設計者がいたのかどうか分かります。そしてドバイの都市への眺めも面白いものです。夜は夜景ですね。
バーラウンジは、現代風なデザインでシンプルで交換のもてる感じでした。カクテルなどの飲み物などは、ここで作り、サンドイッチなどの軽食はホテルの下層に位置するレストランから運んでいるという、ホテルの運営側のはサービス動線もしっかりしていました。これからは屋上という空間を有効に利用していく開発は当たり前になってきますし、アメニティーとしてしっかり捉えることが重要でしょう。これからは夏の季節ですし、マイアミにあるような格好いいプールもいつか紹介しようと思います。